Julien-Francois Zbinden Trio/ジャン・フランソワ・ズビンデン・トリオ It'S The Talk Of The Town

モダンな発想やアイディアを込めたアプローチも素晴らしいけれど、1つ完結した中で磨きをかけられた奥ゆかしい輝き、深みというものの味わいもジャズ・ピアノの魅力ということで、アーリー・ジャズ期のピアノ・スタイルのエレガンスが再評価されているこのごろです。このアルバムはスイスの大ベテラン・ピアニスト、JFZことジャン・フランソワ・ズビンデンのトリオ作です。1930年代から40年代にかけてファッツ・ウォーラー、アート・テイタムたちが極めたリリカルなスイングを継承し、サロン的な粋のフィーリングを加味したのがJFZのスタイルです。スイス・ロマンド放送のジャズ・ピアニストとして活躍したのち、放送ディレクターとしても敏腕をふるったJFZは、ヨーロッパにおけるモダンジャズ隆盛以前のジャズ爛熟期の空気を知る人物。アルバム全体に独特の優美な魅力がたちこめています。 ジャズ輸入盤CD