Francesco D'Errico/フランセスコ・デリコ Slow Food Music4

フランチェスコ・デリコの名前はYVPや伊ピアノ支持者にはすでにお馴染みのことでしょう。「Tartana」を皮切りにこれが5作目のYvp作。「Slow Food Music」をタイトルに冠したのはこれが2作目です。デリコのジャズは、まずオリジナル曲が独特です。フォーク調、ロマンティック歌謡調、パストラーレ調、子守唄調、エレジー調など多彩で、どれも親しみやすいメロディで、夢想を促すような曲ばかりです。典型的なジャズ・ビートやイントネーションやスイング・マナーは多用せず、ここぞという場面にとっておくといった感じです。それでもジャズ・フィーリングは保たれています。例えば3曲目「映画のための音楽」、センチメンタルで甘美なメロディ呈示から、珍しくビートを出して歌心満開のアドリブのリレー。シンプルな演出ですが、華がありますね。サックスのジュリオ・マルティーノの温もりあるブロウがじつに適材適所。 ジャズ輸入盤CD