FELIPE ARCE / フェリペ・アルセ EXPANSION

アルゼンチン出身のベーシスト、作曲家、編曲家、そして教育者でもあるフェリペ・アルセ。彼は南米ジャズ界で演奏活動を続けた後、ニューヨーク・ブルックリンに拠点を移し、多くのアーティストや移民たちと出会いました。彼らは皆、それぞれの夢、疑念、そして故郷への郷愁を抱いており、フェリペは様々な仲間たちとの交流で、物理的な空間を超えた真の故郷を見つけました。彼らのエネルギー、街の絶え間ない騒音の中で自分たちの声を届けようとする飽くなき情熱に突き動かされて『Expansión』は構想され、ニュージャージー州ロゼルパークで行われた6時間のレコーディングで完成に至りました。アルバム制作を共にしたのはアルゼンチン出身のセルジオ・ワグナー、レオ・ジェノヴェーゼ、マリオ・スカラムッツァ、ルイス・バッキー、そしてイタリア人のダニエレ・ジェルマーニとアンドレア・ニッコライ。彼らはフェリペのビジョンの本質を、純粋で飾り気のない感情で捉えるために集結し表現しました。このアルバムは単なる楽曲集ではなく、自らの居場所を切り開く過程を、音を通して映し出した作品になっています。それは、ブエノスアイレスとブルックリンの間、伝統と革新の間、拡大と撤退の間、その狭間に生きているといっても過言ではないでしょう。