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コラム

今月新作2タイトルを国内盤でリリースしたジャズ・ピアニスト、ブラッド・メルドーの90年代の演奏

アメリカ、フロリダ州出身、新世紀を代表するジャズ・ピアニスト・鬼才ブラッド・メルドーがフランスの作曲家ガブリエル・フォーレをテーマとしたアルバムが発表されました。
現在も精力的に活動するメルドーの若かりし90年代の演奏を楽しめる作品をご紹介します。

目次

人気絶頂のメルドーが、オリジナル中心の挑戦的な選曲で勝負した白熱のライブ!


このアルバムは1993年5月10日、バルセロナの「ジャンボリー」というクラブでライヴ録音されている。ピアノのメルドーとリズム・セクションのロッシ兄弟は、当時のレギュラー・トリオであり、地元ではかなりの注目株だったに違いない。アルト奏者のペリコ・サンビートも若さに似合わず、成熟した味わいを備えた、なかなか得がたい人材といえそうだ。1993年のバルセロナで、メルドーがピアノを思い切り弾いてみせたクラブの一夜を、ここに追記体験できる喜びは、何ものにもかえがたい。彼の若き姿を堪能できる作品だ。

若きブラッド・メルドーとロッシ兄弟を含む白熱のクラブ・ギグ第2弾


本作は初期のメルドーの雄姿を捉えた貴重なドキュメントのひとつといっていい。1993年5月バルセロナのクラブ「ジャンボリー」でライヴ録音された前作(Sound Hills LNCD4008)と同じ日のライヴ録音、こちらは当夜のセカンド・ステージの模様を収めたものと思われる。メンバーの自作曲はなく、ジャズの巨人にちなんだ名曲を数多く取り上げている。この作品を聴いて改めて驚かされるのは、メルドーがこの時点ですでに他のピアニストにはない凄みやスリルに富んだプレイを数多く披露している点だ。ここに聴かれる4人が21世紀のジャズを牽引していくのだろう、という確信を抱かせる。

もはや再結成不可能?なドリーム・バンド


このメンバーを見てください。今では誰もがジャズ・シーンの重鎮といえる存在に成長しましたが、このレコーディング当時はまだ、一部の熱心なファンの間で話題を呼んでいるに過ぎない若手でした。 ‘新しい才能をピックアップする’Fresh Sound New Talentの姿勢が、これ以上ないほど実を結んだ作品が、この1枚といえるのではないでしょうか。(1)の冒頭からいきなり、テンションと香気に溢れたプレイが続きます。基本的にはテーマ-アドリブ-テーマを踏襲するモダン・ジャズですが、曲作りやフィーリングは旧来のアプローチにとらわれることなく、実にフレッシュです。今や世界のジャズ・シーンで主流となったスタイルの原点のひとつが、このアルバムに捉えられています。

マリオ・ロッシ、ジョルディ・ロッシのロッシ兄弟とメルドーの記念すべき黄金トリオ


ブラッド・メルドーの演奏を2002年という、ある意味での彼らがエスタブリッシュメントとして活躍する時代から見れば、あまりにも若くみずみずしく新鮮で心が震えてしまう。。ジャズがジャズでい続けられる大きな理由こそ、ここに見るメルドーの若きクリエイティブな演奏だったろう。音楽を志し、次第に「立場」を得るにしたがって、冒険が出来なくなる時間の中で今に至るまでメルドーが志向してきたものは、新鮮で初めて聞ける音楽だった。ジャズがもっともジャズらしいのは、決して大きな劇場で開かれたコンサートでの演奏とは限らない。ジャズがそのとき作られると信じているジャズファンに贈る最高の瞬間がここにある。メルドーにとってジャズは「ライブ」でるという本来的な回答が見えてくる。そうした意味でも本盤は、メルドーの原点ともいえる「完成されたライブ」、「仮定こそがジャズである」という彼一流の哲学を具体化した貴重な作品といえるだろう。

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